フィリピン台風支援プロジェクト

2013年10月15日、フィリピン南部をM7.1の地震が襲い、同年11月8日には台風ハイエンの上陸によって被災者1000万人、避難者350万人を出す大災害となっています。そこで、藤女子大学副学長・三宅理一氏と現地提携校のUniversity of San Carlosと協力して支援活動を行います。

活動計画

背景

2013年10月から11月にかけて中部フィリピンは一連の激甚災害に見舞われ、特に11月8日の台風30号「ハイヤン」はサマール島、レイテ島、セブ島などに避難者350万人、死者・行方不明者は7900人、全壊建造物58万棟の被害を出しました。指定避難施設の大半も破壊され、現在、避難所収容者20万人以外の避難者は、路傍、倒壊建造物、掘立小屋などで過ごしています。

プロジェクトメンバーである三宅理一氏が所属する藤女子大学(副学長)は、セブ市のサン・カルロス大学と交流協定を結び、学生・教員の交換をこれまで行ってきました。今回の災害に際し、現地から「学校が足りない、支援して欲しい」との依頼があり、三宅氏と繋がりのある私たちに話がきました。


目的

本プロジェクトでは、フィリピン・タクロバン市で不足している「学校」を、現地にある「材料・技術・人の手」によって建設します。住民、子どもや学生に「建設ノウハウ」を伝えるワークショップを開催し、地元の素材を使用して学校の建設を現地の住民とともに行う事により、自分たちの手による復興と、建設システムの指導による自立支援および雇用の創出を目的とします。


活動

現地視察

2014年1月末、三宅理一氏と山下が現地視察へ赴き、被災と始まりつつある復興の状況を確認してきました。地震に伴う高潮により特に被害の大きかったタクロバン市では、いたるところで建物や電柱、インフラの倒壊・破損が見られました。

被災地ではインフラは比較的早く復旧が始められるため、被災地のいたるところに積まれていた電柱に注目し、下記のような学校を発案しました。


提案

今回、フィリピンにて建設しようと考える学校は次図のような校舎です。

電柱を「3m×3m」間隔で立て「9m×6m」を1教室とします。金属のわっかを箍として電柱に嵌め、そこに横架材をかけ床を張り、壁は窓貝か植物を編んだものなど、最大限地元の材料を使用します。高床式とし、妻面にはベンチレーションを設け、風通しのよい建物とします。

現地の素材とそれに合う構法を使用し、地元(セブ島・レイテ島)の建築家および学生と共同で学校を計画し、住民やボランティアとのワークショップにより建設を行います。